

正直なところ、今の時代にサイレント映画をつくるというのは、
他の映画と同じ土俵でなく、別の土俵で勝負するような「飛び道具」であり、
面白くても面白くなくても話題になるということはまちがいない。
そういった話題性を活かしつつ、高いクオリティで創り上げた映画だと
思い込んでいたのだけれど、別の土俵で勝負しているどころか、
どの映画よりも土俵の真ん中で正々堂々とストレートに勝負していた。
サイレント映画という話題性を呼ぶための「飛び道具」ではなく、
今の時代にサイレント映画という「離れ業」をやってのけた。
セリフがなくても楽しめる。技術の進歩で蔑ろにされ忘れかけていた部分、
映画の本質を素直にシンプルに描き出した、お手本のような映画だった。
どこからで評判を聞いて、鈴木先生を観てみたのだけど、正直予想以上の内容だった。
そもそも今までの教師ドラマとは切り口が全く違う。
教育というものを、教師と生徒という側面からではなく、
いち人間として、今までの綺麗事ではなく、現実とまっすぐに向き合う内容に驚いた。
設定もまさに今の中学校で起こりそうなことをを描き出していて物凄くリアルに感じたし、
出てくる役者も実に個性的で適材適所で、役者が際立ちすぎることなく、
うまく一つのドラマとしてまとまっていた。
実際に教職についている人が見たら、「こんなに上手くはいかない。結局、最後は綺麗ごと」と言われてしまうかもしれない。ただ、学校の事情がどうであれ、ともに生きていくために大切な事、人と人とが向き合う上での本質をこのドラマに教わった気がする。
そして、何より見ていて感じたのが、回を追うごとに、実際に役としてではなく、人として成長していたように感じた。このドラマに出演していた生徒たちにとって、実際にすばらしい授業になったんではないかと思う。
僕は、原作の漫画を読んだことはないので、漫画とこのドラマがどう違うのかわからないけど、
漫画がどうでられ、いちドラマとしてすばらしいドラマだと思う。

作品もよかったけど、なによりその展示のバランスがとても良かった。代表的なオールオーヴァー&ポーリングの作品だけじゃなく、スタイルを確立するまでの変化や、自分の確立したあとのさらなる挑戦への変化を知ることができて、アーティストとしてのポロックの成長を垣間見れたような気がする。人の価値感にとらわれず、常に模索し変化し続けること。今の時代、なんでもかんでも「アート」と言えば、「アート」になってしまっている時代の中で、ポロックというアーティストの作品の変化を見て、デザイナーにはない、アーティストならではの価値観がそこに存在しているように感じた。うまく言い表せないけど、なんとなく自分の中で、アートとデザインの線が引けたような気がする。

先週末に、しあわせのパンを観に行ってきた。
かなり期待して観に行ったにも関わらず、それを上回る良さだった。
ただの心地良い映画ではなく、とてもストレートでシンプルなメッセージが詰まっていた。
無駄を削ぎ落した演技、必要最小限の演出と台詞。のどかな映像とさりげない音楽。
そして、映画のメッセージを最小限の演出で、最大限伝えるために使われた、「パン」という存在。
この「パン」を使ったことに、この映画の素晴らしさが詰まっていた。
人間って、複雑な社会で生きているようだけれど、
大切なことは、とてもシンプルなことなんだな〜感じさせられる映画だった。
物事を複雑化させているのは自分自身で、素直になれば、大抵のことは解決するような気がする。
世界一予約が取れないと言われるフェラン・アドリアさんのエル・ブリの裏側を撮ったドキュメンタリー映画。
去年、閉店を発表していたので、どのような所なのか、気になっていたので観てきた。
正直、かなりのカルチャーショック。。。。
エル・ブリは他のレストランと全く違うベクトルにいるような気がした。
営業日は半年間。そして次の年に向け、半年間、コンセプトに基づいたレシピを考える日々が続く。
試作現場は、ラボラトリーのような感じで、ありとあらゆる可能性をを試す。
レシピ作りは、もやは実験と言ってしまっていいような試作の繰り返し。
試作に試作を重ね、前衛的な料理を生み出していく。
味や香り、食感はもちろん、見た目の美しさや食べる時の音にまで思考を凝らし、
さらにはお客さんに「驚き」を与えなければ意味が無いと言う。
半年間の試作を行い、レシピを作り、営業が始まる。
レストランは、半年間考え抜いた料理を発表の場のように感じられ、
キッチンからランウェイに出て行くかように料理が運ばれていく。
一度は「食べてみたい」というよりは、一度でいいからエル・ブリを「体験してみたい」と感じた。
「一度は行ってみたいレストラン」っという言葉がぴったりのような気がする。
ドキュメンタリーとしても、現場の雰囲気もフェラン・アドリアさんの厳しい注文に対する
チーフチェフやスタッフの戸惑う感じが生々しく映しだされていたり、現場の雰囲気がかなりリアルの映しだされていた。
映像のレイアウトもシンプルなデザインでとてもよかった。